本シンポジウムは、2021年度から実施している、日本地域経済学会と日本中小企業学会との共催シンポジウムです。今年度は、下記のとおり、オンラインで開催します。
日時:2024年12月6日(金)18:00開始、20:00終了予定
会場:オンライン(Zoom)
下記URLより接続ください(学会会員は、事前登録不要)
Zoom: https://us02web.zoom.us/j/89450246373?pwd=J5gOONoHnOZu4Kvp8KjsA9pqXEoHGa.1
ミーティングID: 894 5024 6373 パスコード:718711
テーマ:スタートアップ・エコシステムの地方都市モデル構築に向けて-理論・実態・政策面からの検討
企画趣旨:
国は、2022年に「スタートアップ創出元年」を宣言し、トップダウンでスタートアップ政策を強力に推し進めている。同年、「スタートアップ育成5か年計画」を策定し、「5年後の2027年にスタートアップへの投資額を10倍にすること」「ユニコーン企業を100社創出し、スタートアップを10万社創出すること」により、「日本が世界有数のスタートアップの集積地になること」を目標に掲げた。こうした「スタートアップ・ブーム」は、VC等投資家や大学・高度人材が集積する東京において発火される。これは「地方創生」に逆行し、結果的には、スタートアップ政策が東京一極集中化をより一層進めてしまうことになりかねない。
スタートアップを持続的に創出するには、そのための制度的な厚みと起業家コミュニティ等の形成が鍵を握る。海外では、シリコンバレーを筆頭に、北京、上海等の大都市でスタートアップ・エコシステムの拠点形成が進展しているが、フィンランド・オウルのような地方でのスタートアップ・エコシステムの事例もある。日本においても、「スタートアップ・エコシステム拠点都市」の形成に向けて、東京コンソーシアムのほか、愛知・名古屋・浜松コンソ、大阪・京都・兵庫神戸コンソ、福岡の4拠点をグローバル型、そして、札幌、仙台、広島、北九州の4拠点を推進都市型として支援策が講じられている。とはいえ、東京以外の地方都市においてスタートアップ・エコシステムを形成することの難しさは、2000年代の「産業クラスター政策」の失敗を省みれば容易に想像できるだろう。日本のスタートアップ・エコシステム支援策の理論的な根拠の一つは、「EE(Entrepreneurial Ecosystem)論」である。しかしながら、EEの実証研究は日本であまり進んでおらず、また先行研究の多くは産業クラスターの構成要素を今更持ち出し、その要素の存在だけでEEの説明にかえるものが多い。研究上および実務上、重要なことは、EEがどのように形成されるのかのプロセスの解明にある。
以上を踏まえ、今回のシンポジウムでは、研究者のみならず現場の政策担当者にも登壇してもらい、スタートアップ・エコシステムの地方都市モデル構築に向けて、理論-実態-政策までの総合的な観点から議論を行い、多くの含意を得ることを目指す。
○司会進行・企画趣旨説明
:長山宗広(駒澤大学 教授)
○報告者・パネリスト
:遠藤聡(横浜国立大学 准教授)
:福嶋路(東北大学 教授)
:宮野浩和(浜松市産業部スタートアップ推進課)
:白川裕也(仙台市経済局イノベーション推進部スタートアップ支援課)